EC-CUBEの紹介

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EC-CUBEはECサイトを作る無料CMSの代表です。WordPress同様に大抵のサーバには簡易インストーラーが用意されています。

EC-CUBE公式サイト

動作に必要なものは、Apacheを使ったウェブサーバーと、プログラムはPHPにて動作します。データベースはMySQL、PostgreSQLに対応しています。大抵のレンタルサーバにはインストールされているもので、WordPressが動けばEC-CUBEも動きます。

ECとはElectronic Commerceの略で電子商取引の事です。つまり、お金のやり取りが発生し、商品の売買を行う取引の事で、早い話がネットショッピングサイトの事です。

EC-CUBEにできる事

ネットショップサイトを開設するために必要な機能は全て揃っています。インストールし、商品販売に必要な設定を行う事で、すぐにサイト公開する事ができます。

以下に、EC-CUBEにできる主要な事をまとめました。

<公開ページ>
・商品一覧ページの表示
・商品詳細ページの表示
・商品の検索や絞り込み表示
・商品の在庫状況の表示

<商品注文機能>
・複数の商品を選択し、まとめて購入するショッピングカート機能
・別のお届け先の入力
・配送時間指定

<付加サービス機能>
・ポイント蓄積と、使用による購入
・クーポン管理

<コミュニティ機能>
・ユーザーレビューの投稿や表示
・商品のお気に入り登録や管理
・おすすめ商品の表示

<会員制機能>
・会員登録
・ログイン等の機能
・退会
・登録不要の非会員購入

<事務手続き機能>
・商品や売上、注文などの必要情報の集計
・必要情報のPDF等になるファイルの書き出し

<連絡機能>
・お問い合わせフォーム
・メールマガジンの発行や管理

<決済>
・決済システムへの接続

決済システムについて

システムの実装そのものは(Webサイトの開発経験がある人にとっては)とても簡単です。WordPressや普通のWebサイトにはないECサイト特有の要素として、金銭の取引があります。とても重要な部分で、慎重さが必要です。

まず、EC-CUBEのインストール直後に初期設定されている決済は、以下のものです。

初期決済方法

・郵便振替
・現金書留
・銀行振込
・代金引換

以上の支払い方法であれば、何かの申請が必要になるわけではありません。

しかし、購入者と販売者の間に信頼関係がなかったり、支払い方法を増やして購入者を増やしたい場合などは、機能追加して支払いシステムを増やします。

クレジットカード支払いや、振込み、コンビニ支払い、代引き、電子マネー、クロネコヤマトなどの配送会社が提供する支払いシステムなどを利用する事ができます。

決済システムを追加するまでの手順

1.各社の決済サービスに申し込み
2.審査を通過し、申請が許可されるのを待つ
3.支払いシステムをプラグインで実装
4.プラグインとの接続処理を実装
5.公開

プラグインはEC-CUBE公式のものが用意されており無料ですが、決済システムを提供している会社への申請と、手数料の支払いなどの取引内容の確認が必要です。

法人と、個人販売者で受付内容が違う場合もあります。公開予定のECサイトの完成度や、販売内容、販売における必要な条件、組織や身分証明などの信頼についてなど、審査されます。

申請後スピード審査、翌日返答、みたいなものを売りにしているサービスもありますが、審査に1ヶ月かかる支払いシステムもありますので、ご注意ください。

支払いシステムの選定は、物品販売において、案外重要です。信頼度が高そうでお手軽なものや、話題の支払い方法を選ぶだけでも、商品価値があるもので、価格設定が適切であれば、かなり売れるかもしれません。しかし、そういったサービスは手数料が高かったり、固定支払い料金などがあったりして、利益バランスを考えなくてはなりません。

EC-CUBEにできない事

倉庫を持っているわけではない

Webサイトを公開するのは簡単な事ですが、販売する商品をどこで在庫管理するか?すばやく発送手続きするための体制をどうするか?といった事は、自分で行う必要があります。当たり前なことですが、ECサイトを検討する上で一番大事なのは、この辺ではないでしょうか。

責任は持てない

システムや取引のトラブルについて、開発元の株式会社イーシーキューブが責任を持つわけではありません。購入者の安全や、Webサイトを運用する側の責任や義務については、しっかりと把握しておきましょう。

普通のWebサイトが作れない

EC-CUBEは販売サイトを制作するために必要なものは全て揃えていますが、Webサイト制作用のCMSでも、ブログ制作用CMSでもありません。

例えば、徹底した商品紹介サイトを作りたい場合など、もし普通のWebサイトも併せて用意したいのであれば、別のWebサイトを独自に制作して公開するか、WordPressなどと合わせて導入を検討しましょう。

大きな機能変更はできない

EC-CUBEはそのままで良ければ、商品の登録と、最低限の設定だけですぐに公開できます。しかし、独自のショップサイトとしてオリジナルデザインにしたり、ちょっとした機能を追加して特徴的な演出を作ったりする事もできます。

CSSやオリジナルのHTMLを組み込んで、画期的に独特なデザインにする事はできますが、PHPに関しては、Smartyという仕組みを使って記述しなければなりません。

EC-CUBEは現行バージョンでもセキュリティ対策などのアップデートがありますので、大きく作り替えてしまう事はできません。システムの幹となる部分のPHPから書き直してしまうとアップデートの際にトラブルが起こります。

Smartyを使って、出来る限りEC-CUBE本来が持っている機能を壊さずに、用意されているパラメーターを使って追加記載したり、消したりする程度の範囲内の工夫で、Webサイトの特徴を出していきましょう。

もし、商品に関する派手な紹介ページを作りたければ、別途WordPressなどで作ったサイトと連結させるなど、別のシステムと合わせて用意すると良いでしょう。

商用ライセンスについて

EC-CUBEは、メンテナンスや設定などを依頼できるクラウド版は月額料金がかかる有料ですが、ソフトウェアをまるごとダウンロードして使うオープンソース版については無料です。

無料なのに、なぜか商用ライセンスの案内があり、1サイト 264,000円 (税込)とか書いてあって、いったいどういう条件までが無料なのか混乱してしまうかもしれません。

EC-CUBEはGPLライセンスと呼ばれるオープンソースで、第三者が無料で制約なしに使う事ができます。EC-CUBEをダウンロードしてカスタマイズして使ってもそのライセンスは活きたままになり、デザインやWebサイトとしても著作権は主張できても、プログラムそのものはオープンソースのままという事になります。

勿論、オープンソースだからと言って、誰かにプログラムファイルを要求される事はありませんが、裏に隠しておくべき重要な個人情報や、会員のみが見れる商品の情報以外は、世界中のWebサイトは、基本的に中が丸見えな状態に近いので、ブラウザからソースコードを見る事はできますし、部分的なファイルはダウンロードして再利用されてしまう事もあります。

大抵の場合は、それほど気にする事はないのですが、EC-CUBEのこの商用ライセンスを選択したい場合は、どんな時か?をまとめてみます。

独自の基幹システムと結合

独自の基幹システムを持っているという事は、その部分は大抵は企業機密に関わるようなシステムではないかと思います。そのシステムと連携するために、EC-CUBEの核の部分にも手を入れる必要がありますし、そこから企業機密の部分へのアクセスをするために、オープンソースとは言ってられない仕組みを組み込む必要があります。

その場合は商用ライセンスを購入し、アップデートせずに採用したほうが良いでしょう。

EC-CUBEを使ってないふりしたい

EC-CUBEを使っている事は恥ずかしい事ではありませんが、例えば、楽天やアマゾンのような大規模サイトが、もしフリーウェアのEC-CUBEを使っていると知ったら、ちょっとびっくりです。

本来なら独自のシステム開発をしているはずである企業の技術力が疑われてしまい、ブランドイメージに響くかもしれません。でも、初期コストを抑えたいし、EC-CUBEのような優秀なECシステムを1から作るのは難しいから、とEC-CUBEをベースに、全く別のシステムのふりした新しいECシステムを作りたい場合は、商用ライセンスを購入し、EC-CUBEのロゴや権利表記、EC-CUBEの痕跡の全てを消して販売します。

ちなみに、EC-CUBEを使ったからと言って、EC-CUBEのロゴを付けたり、EC-CUBEの権利表記などを表示する必要はありません。独自サイトとして作り直しオープンソースとして公開するのであれば無料ライセンスのまま使えます。

EC-CUBE公式サイト