プロローグ

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スマートフォン時代のコンテンツの形を研究するために、2011年頃からiPhoneとandroid対応を想定したオリジナルのスマートフォンアプリを企画していました。その2年後、そのアプリの配信と運用を目的としてPikodon Companyを設立しました。

既にWebサイト制作やシステム開発を中心に展開する屋号SeedLeafProjectとは別にブランドを作った理由は、様々な実験的な企画を、中心となる事業に影響のないところで、誰にも気兼ねせずに自由に企画を進めるためでした。

Pikodon Companyでは人々の生活や知識に役立つ内容を、独自運用のキャラクターデザインを扱って表現する事を目的としていました。

まずは収益化よりも、企画の可能性の模索を目的としています。そもそもこのアイデアの持続が難しいと判断した時点で、Pikodon Companyは終了とします。着想を得ている限り続きます。(更新がない場合は忙しい時です)

実在する人物をイラスト化

そもそも絵が描けないところから始めています。人物画なんてろくに描いた事ありません。デッサンの経験も殆どありません。ただ手元にはadobeのFlashがありました。Flashで線を描きシェイプを作る事はできます。シェイプを動かしてアニメーションを作る事はできます。

まずはそれまで執筆運用していたブログの文章をそのまま扱う事ができるように、似顔絵を描いてそれをキャラクターとして扱ってみる事にしました。

これはこれであり。という感じの反響ではありましたが、なんというかキャラクターというよりも、挿絵といった感じで、別に写真でも動画でも良いんじゃね?というレベルのもの。

ありっちゃあありだけどさ。これだったらわざわざPikodon Companyとか作る必要あるか?という程度のものだよね。

ゲームを作ろう

キャラクターの活躍の場といえば、アニメもしくは漫画。それかゲームが主流ではないでしょうか。そもそもキャラクタービジネスを始めてみようと思ったのは、ポケットモンスターのマーケティング戦略を知った事がキッカケでした。

ポケモンビジネスは、世界観やクリエイターを大事にしながら(まずここが大事!)も、世界中に多ジャンルの巨大なマーケティングを築きました。マーケティングの拡大と同時に世界観も膨らんでいく相乗効果があった事が何よりも画期的でした。

ポケモンはそのシステムの開発にしっかりと手間をかけています。そもそもポケットモンスターは1996年に発売された任天堂ゲームボーイのゲームでした。小さな白黒の液晶画面の中のアイコンでしかなかったポケモンは「キャラクタービジネス」と言える基準ではなかったと思います。それをキャラクターとして育てていった経由はすごい。

それを見習うならば、まずはゲームシステムはシンプルなところで「CPU対戦型リバーシ」とします。そしてキャラクターは牛を中心に3体用意しました。

案外好調なスタートでしたが、3体描いたところで4体目以降の絵が描けませんでした。4体目は狼さんとかニワトリさんとか予定していたのですが、なんでここまでの3体が描けたのかがわからなくなるくらいに、4体目以降の絵が描けませんでした。

イラストレーター無しにはこの企画は成り立たない。キャラクターデザイナーの偉大さを思い知らされます。しかし、この企画にはプロのデザイナーやイラストレーターに委ねる事は考えていませんでした。キャラクタービジネスの基盤はキャラクターデザインにあり、キャラクターデザインできる人がいなければ成り立たないし、キャラクターデザインできる人が運用や著作権の権利の全てを掌握できるもの(それが理想的である)と考えています。

つまり、自分でキャラクターデザインができないのであれば、Pikodon Companyなんてものを続ける意味はなくなります。

生活習慣病キャラクターの誕生

結局、4体目のキャラクターを描く事はできませんでしたが、それまでに生まれた3体のキャラクターをアレンジして仕上げる事はできます。太った牛を生活習慣の改善を象徴したキャラクターと定義する事にしました。

こうなると自然とスマホアプリの方向性も見えてきました。毎日の体重や運動量を記録するアプリ。そのアプリのキャラクターがこの牛さんです。

我ながら良い企画だとは思います。しかし、アプリとしては実用的ですが、キャラクタービジネスとしては脱線しているように思えます。

この時、別のスマートフォンアプリの開発企画に参加させていただいていました。こんな牛の企画よりも、もっと社会の役に立つ上質なスマートフォンアプリでした。しかもそちらのほうは既にリリースされ収益が出ていました。

比較してしまうと、自分の企画は全然ダメだと気付かされます。

ただ、この牛の企画を事前に進めていたからこそ、別企画のアプリ開発のためにその技術を注ぐ事ができました。「Pikodon Company何も形に出来てないじゃねえか!」と思わせるその水面下で、このように別の活動の土台作りになっていたりします。

例えば、GPSを活用したARの企画を進めていたはずなのに、途中で投げ出したように見えていても、実は水面下で別企画に活かしていたりします。

そうなるとPikodon Companyの存在理由は、本当にただのWeb技術の事前調査と検証を目的とした研究室みたいになってきました。

女子力投入

キャラクターというと、ディズニーのように動物だったり、ポケモンのように独特な形の生物だったりする事が多いのですが、実は、歴史上にその名を残し、人々の価値観を変えてしまうほどの強力な影響力を持つキャラクターは人間の女性である事が多いように思えました。

例えば、自由の女神はアメリカという国を象徴した偉大なキャラクターです。
ジャンヌダルクは実在した人物ですが、彼女も人々を魅了する強い力を持ったキャラクターとして現代にも生きています。

そして、初音ミクです。

ボーカロイドは、才能はあるのに音楽業界で思うように活動できなかった作曲者。作詞家。シンガーソングライターのために新たな活動地盤を築きました。そして日本の音楽の基準を暴力的なほど大きく変えてしまいました。その象徴となるのが16歳という設定の緑色のツインテールの髪の少女の絵です。

志すならこういうキャラクターがいいなあ。でも志は大きくても、実際、初音ミクのようなキャラクターを目指すのは難しいかな。

とりあえずはメスの動物キャラクターに魂を吹き込んでみるところから始めてみようかな。

なんか、かわいいよね。

でも難しいよね。

キャラクターを育てるための企画

オッサンが描いた女像は男の理想みたいな姿になってしまうし。女が描いた男子はファンタジーの王子様みたいになるし。異性が異性を描くのはどこか嘘臭くなる。

そこで、スマートフォンアプリの企画とか、キャラクタービジネスのマーケティング戦略とか、そういうのはどうでも良いから、人間型をしたひとりのキャラクターを育てるための企画を考える事にしてみました。

アイドル、キャバクラ、ホストクラブなどの生身の人間を使った人気商売や、売り込むためにターゲット層に媚びたキャラクターではなく、「マジこいつなんなの?嫌い」とSNSでブロックされちゃうような、マジで存在するかのような生々しいキャラクターを生み出すための長期的な計画を始めてみる事にしました。

そしていよいよ トラウマいちご誕生 へ続く