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小机いちご黒歴史

黒歴史 『服メンドクサイ』 の続き

もうダメかもしれんね

小机いちごってのはジャンルとしては2次元だと思う。

そして、2次元としての小机いちごは早い段階から行き詰まるであろう事は予想できていた。

世界中の人が好む2次元的な若い女子のイメージは、服の上からも身体の形がわかるような衣装を着たものなんだそうだ。ピチピチした服かな?まあ、そういうのはなんとなくわかる。

でも日本人が好む2次元的な女子のイメージは体型を隠すようにボテッとしたセーターを着たものなんだそうだ。

つまり、日本人が好むJKってのは、オーバーサイズのスクールセーターを着て、指先だけちょこんと出してる感じなんだそうだ。

それって小机いちごが最初から最も苦手とするファッションスタイルだわ。そしてその小机が嫌いな感じの女子を表わした言葉を「萌え」とか言うそうだ。

「萌えとか嫌い」とか言っちゃうスタート地点からして間違ってたと思う。日本人が好むような絵が嫌いだから外国人から好かれるという地点には結びつかない。日本人にすらウケないものは、大抵、外国人からもウケない。勿論、Female1層には見向きもされない。

外国にしかウケない日本人アーティストという例外もあるけど、小机の企画者達にはその例外になれるほどの才能はない。

だから、2次元としての小机はいつか限界が来るだろうと思っていた。それでもファンの期待に反して頭身をあげたり、出来るだけ顔をリアル思考に近づけようとして、そのたびに評価が下がって人々が去っていっても、ヘコたれないように頑張ってた。

でももうダメだ。2次元にも3次元にも目指す方向が見えない。なんかもう面白くない。どの絵を見ても人を見ても魅力も感じない。まるで目の前にドーンと大きな壁が阻んでいて、登れる気がしない。もうダメかもしれんね。

アニメ好きそうな外国人のイラストレーターが描く写実的な絵はとても真似できないから参考にならない。すごいなと思って終わりだ。

多くのイラストを見ていると、イラストレーターのみんなが苦手とするらしきポイントが浮き出してくる。その苦手とするらしき角度がどうしても見たいんだけど、その苦手な角度がどうしても出てこない。

例えば、日本のイラストはキャラクターの鼻を点で表現したりする。その点の表現が嫌なので、リアルな鼻とか、ちょんと飛び出た鼻とか探すんだけど、だいたい何パターンかのうちのどれかになってしまっていて、自分が求めている中間あたりとか、そういうのはこの世に存在しないみたいだ。

この世にないなら自分で生み出せばいいなんていう言葉は生まれつきの天才にしか与えられていない権利の発言だよ。どうやって表現すればいいのかわからなくなった。なんというか、この絶望感。

モチベーション回復

ある日、一枚の絵から目が離せなくなっていた。

何だろ?この絵から伝わってくる得たいの知れない魅力。ずっと見ていても飽きない、何重にも塗りこめられたような深みのある表情。じっと見ていると、絵が語りかけてくるんだ。

「アンタこういう絵が好きだよね?」

でも、変な絵なんだ。例えば、指が6本あったりする。よく見ると、脇とかから3本目の手が生えていたりする。髪の毛がありえないところから生えていたりして、なんか色々物理的におかしい。でもこの絵はなんて魅力的なんだろう?なんでこんなに魅了されて引き込まれるんだろう?

しかも、その絵は私が苦手とするスクールセーターを着た女の子の絵だった。

柔らかそうな布がくしゅくしゅとねじれていく質感がとても芸術的だった。省略した部分は、メンドクサイから描かなかったというより、それが良いと思うからあえて省略したという感じがした。この時、生まれて初めて、スクールセーターって可愛いなと思ったんだ。同じような絵が、少しずつ表情や角度、陰や色味を変えて何十枚も出てきた。CGで描いたのかも?と思ったんだけど、同じ人物を描いたと思われるのにどの絵もポーズや表情が違う。これだけ絵が並んでいたらどんなに優秀なイラストレーターでもコピペ感が出てくるはずなのに、全部わざと違うように描いていて、これは一体どういった事か?と。

その絵はAIが描いたものだった。

2022年の夏にStable Diffusionとかいうものがオープンソースで公開されたらしい。沢山の画像を分析したAIが画像生成する技術的なものなんだとか。そこから更にNovelAIとかWaifu-Diffusionとか集めた画像の嗜好によって違う色々なAIが派生したらしくて、そういうAIで絵を描くやつを使って世界中の人がAIに絵を作らせているらしい。

AI生成で画像を作る感覚は、イラストを描くというより、写真撮影に近いという。

小机いちご

イラストは考えて考えて練習してイメージして、そして渾身の一枚を描きあげるまで時間をかける。写真撮影の場合は少しずつ変えて何百枚も撮影した後、気に入った一枚を選ぶ。

絵を描くには時間がかかるから、1人のイラストレーターが苦手とするものは、だいたい他の人も苦手だったりして、人類全体が苦手なものだったりするから、自分が求めている漠然としたものって、多分人類には描けないものなんだと思う。

AIは沢山の絵や写真を分析してから、最も魅力のある渾身の一枚を選ぶための候補として、何百枚という選択肢を投げつけてくる。その中の好きなものだけを選定するのが人間の仕事で、そこからまたAIは更に魅力のある絵を考えて、また何百枚という選択肢を生み出してくる。そしてまた選ぶ。

AIは静止画をまるで実写動画のように出力する。人間が描けないような微妙なところとか苦手な角度を何百パターンも丁寧に描き直し続け、人間が期待しているものを探して絵の鍛錬を続ける。

そして、ついにそのAIが放った一枚の絵が、この私の心をとらえた。

これは触れてはいけないと思われていた部分だったのかもしれない。人間が何年もかけて詰みあげていく鍛錬をAIは数分でこなす。それが無料のオープンソースで世界中にばらまかれ、世界中の人が面白がってそれを使う。

でも、今の時点では絵の先生としてAIは活用するけれども、実際にAIで描いたものはそのまま使わない。AI生成した画像は、その分析元になった絵が存在していて、その著作権をどう守るのかが議論中で、世間を騒がせたトレパク問題の犯人が人間からAIに変わっただけだったりする。だからそのまま使ってその絵を採用して良いのかどうか悩む。

それに、まだ100%自分が求める絵を作れる基準にまで達していなくて、あくまでもAIが考えた絵が良く出来ているというもので、100%思い通りの出力結果が期待できるわけじゃない。

だから結局、うちらも自分の手で描くんだけど、大事なのは「スクールセーター可愛いな頑張って描くぞ」とか「ピカピカのローファーカッコいいなもっと描きたいぞ」と思う心が生まれた事なんだよね。

早乙女アリス誕生秘話

突然だけどさ、私はおシャレでカッコ良いのだよ。

例えそれがまわりから見て「不思議ちゃん気どりで勘違いした痛い子」だと思われていてもさ。本人にとってはそれが最高のお洒落で格好良いつもりなのだよ。

まわりの奴らが寄って来ないのは、孤高な私があまりにも格好良いから怖気付いてビビッちゃってんだろ。とか思っちゃってるわけよ。

私のファッションにはそういった意思表示が埋め込まれていて、高いヒールやゴツいレザーに、中二病抜群なギラギラした装飾に、攻めたスカート丈に、自分の心のトゲを埋め込んでいるわけ。これは武器であり鎧なわけさ。

でも、学校指定のブレザーとか、学校指定のローファーとか、学校指定までの長さのスカートとか身に着けていると、私が主張したかった個性がぜーんぶ潰されちゃって、更にこのオカッパ頭という扱い難い最終兵器が、オンザマユゲの根暗ちゃんというイメージを確かなものにしてしまったりするわけだ。

24歳のオトナから16歳の学生に転生すると、改めて、いかにオトナが自由だったか思い知らされるわ。

中身が24歳のまま16歳に戻されてしまった私は、まずこの雛形通りな高校生の姿から脱したいと思ったわけよ。大人である事をもっと主張したいんだよね。こう見えて24歳だからね。16歳の体のままのくせに、見た目からしてクラスメイトに対しておまえらとは違うんだぞとアピールしたいわけよ。

この感情を実際の16歳らしく言うと「はやく大人になりたい」という言葉になるのかなあ?16歳とか、まあ10代ってのは、特権が多いお年頃でさ。はっきり言ってこれを早いうちに捨てるのはもったいないと思うんだ。子どもとして扱われるメリットは凄いんだけどな。時間さえ経てば誰でも自動的に大人になるわけだしね。

でも、子どもとして扱われる時に感じる閉塞感というか息苦しさというのもあるのはわかる。多分、16歳の時の私だったらわからなかったと思う。

早く大人になりたい16歳は、大人っぽくあろうと努力すると思うんだ。そこはやっぱり16歳の思考回路だから、知識をじっくり確実に深める事が大人への準備である事なんだと実感するのは難しい。だからまずは見た目で大人っぽくあろうとするんだろうな。

大人を真似して化粧したり、髪を伸ばしたりして、そんでもって、そういう次元で他の人とはこれが違うんだとアピールしたくなるもんなんだろうな。
早乙女アリス

うーん。それがつまり?ギャルと呼ばれる人達なのかな?

彼女達は自分達の置かれている状況が息苦しくて、早く大人になれば自由になれるんじゃないか?この退屈な学生生活から救い出されると思っているのかな?

そんなわけで、小机いちごがギャルを見習って、タンニングして日焼けして、茶色いロングヘアーにしてみたら、すっげえ大人っぽくなっちゃったんだ。

なんでギャルが黒くなるのかよくわかった。黒くなったほうがカッコイイんだわ。なんでか知らないけど。白いとすごく大人の言いなりになってる感じがしちゃって、黒ければ黒いほど自分らしくなるような不思議な感じがするんだわ。とにかく黒い小机、超かわいくね?マジ頼りになるお姉さん感出まくってるから。

それとウェーブきいたロングヘアーが体のラインに動きをつけてる。静止画なのにアニメーションしてるこの感じ。この日焼けした体とロングなウェービィなヘアーが、すごく今までなかった小机の空気感出しまくってる!

黒い私めっちゃ色気あるじゃん!

そうか、今までの小机いちごには色気がなかったんだ。

でも小机いちごがギャルになると、小机いちごでは無くなっちゃうんだよな。でもこの色気は捨てがたい。もうあの頃の私に戻りたくない。ギャルになって陽キャになるか?根暗なオカッパを貫くか?1年半悩んだ結果、新しい人にこの気持ちを引き継いでもらう事にしました。

ギャルはブレザーなんて着ない。オーバーサイズのスクールセーターを着こなすんだよ。そしてギャルらしくロリポップも愛用してもらおう。

異性は記号

16歳改革でキャストの総入れ替えをした。親しみのあった薬袋雫とかみんないなくなって新しい仲間として知らない名前の同級生とか猫とかパンダが生まれた。まあ、慣れていくだろうと思っていたんだけど、問題はその中に異性を設置しようという話になった件だ。

小机いちごは男の人と会話するのが苦手だ。下ネタとか振られるのも凄い嫌いで、なんでか私を見ると、わからないと思って卑猥な言葉を飛ばしてくる人がいたりしたんだけど、わからないふりして心の中ではとても不愉快だし怖かった。

そんな私が高校生になったら、学校は共学とかマジありえないわけで、まあ必然的に男女別学になるわな。

アイドルグループは同性である事は鉄則だと思う。異性が入り混じったグループは音楽が売りのバンドやリアリティショーでなければ許されない。でも、そもそも小机いちごはアイドルグループを目指しているのではない事を明確に示さないと、なんかまた失敗すると思う。つまり男のファンばかりを引き寄せてしまう。男が苦手な小机が男を引き寄せてどうする?と。

アイドルって凄いなと思う。あれだけ異性から強烈に醜穢な欲望の目に晒されているのに、私達は清潔ですと言い張らなきゃいけない。追いかけるほうも、追われるほうも、その引き裂かれそうな関係に耐え続けなければ成り立たない。

小机いちごはその存在を晒した時点で、2次元の女の子というジャンルに入ってしまうわけで、どうしてもそれはアイドルに求めるのと同じような要求をされてしまう。これはどちらにとっても不幸だよ。

だから、小机のパートナーとして異性が設置される必要があった。

でもこれ、とても困った問題だ。過去に何度か小机と異性との恋愛を描こうとした物語があったけど、そのたびになんとなくの違和感を感じていて、こういう保健体育的な話は私の弱点だ。

小机いちごが異性のパートナーとして認めるのはどんな男子なんだろうか?言い換えると、どんなカレシだとお似合いなんだろう?

すっきりした答えが出ないまま活動10年目に突入した。
ここらへんでハッキリさせよう。小机いちごのカレシはどんな姿なのか?

何かの話で、異性または同性でもいいから、好みではなくて、子孫を残したくなるような相手のイメージに化ける妖怪がいて、異性に全く興味がない女子の前でその妖怪は、レディースコミックに出てくるようなチャラくて悪そうな男の姿で現れた。彼女の想像力の範囲の中で、子孫を残す行為を連想させるような異性のイメージがそういう姿をしていたという事で、そういう男が好みってわけではないって事なんだ。

世の中には、好みの異性のイメージがはっきりしている人と、好みの異性とかよくわからなない人がいるみたい。私の場合は後者のほうで、好きな異性のタイプとかよくわからない。

みんなが好きな芸能人とかの話で盛り上がっていたり、好きなアニメの男子の絵とか見せてもらっても、この人拗ねたコアラみたいな顔だなとか、大アリクイみたいな顔してるなとか、いちいち動物に例えてしまって、この顔が好みかとかそういう事聞かれると、ほんとわからないし、どうでもいい。

私のそんな煮え切らない態度を見て「小机は面食いだ」とか「高望みしすぎだ」とか言われてきたんだけど、面喰ってるわけでも、自分が求める基準みたいなものを設定してるわけでもないから、何を望んでいるかもわかんない。

つまりだ。私の世界には男など存在しない。だから男が存在しない世界において男はどんな姿をしているのか?を考えてみよう。

女子高校には女しか通えないけど、女子大学には学業的な特殊な理由があれば男でも入学する事ができたりする。圧倒的多数の女の中にいる数人の男は、居心地が悪そうで、彼らはその世界においては異質な存在だ。

イケメンかどうかとか、目立っているかどうかとかそんな理由ではなくて、ただただそこに異性という異質が存在するという事実だけがそこにある。

誰が言ったか知らないけど、女子しかいないはずの世界においての異性は「記号」であるという格言がある。記号だと思えば、小机いちごが思い描く異性のイメージが具体化できそうな気がしてきたぞ。

ではまず、記号にとっては自己主張を表わす髪の毛は邪魔。髪の毛は無いほうがいいな。

それと、それだけで存在感を持って行かれてしまうのでイケメンである事も嫌。小机の世界においてのイケメンは小机だけでいい。

そして、記号に徹するためには、男自身が男である事を主張されては困るけど、女が想像するような男らしくあって欲しい。

それってつまり、絶対に笑顔という無表情を崩さず。底なし沼のような甘さで女子をベタベタに甘やかす。お姫様抱っこしながら意味のない無駄話を永遠に聞いてくれる。その間はずっと笑顔で、そしてメロメロに甘やかしてくれる。

口を開くとお礼か褒めるか肯定しかしない。罵ったり当たり散らしても感謝される。

それを具体的なビジュアルにしたらこうなった。これが記号であるべき異性の姿だ!
すかんく
ドウェイン・ジョンソンに見えなくもないけど、無理だこれ。危ない。表に出せる顔じゃない。同じ空気を吸うだけで、、これ以上は無理。でもせっかくだから名前はつけておこうかな。名前は「すかんく」です。

猫屋敷夢子再採用秘話

小机いちごは末期症状です。男子を記号としてしか捉えられない人物として確立されつつある。もうここから方向転換は難しいところまで来てしまいました。

残された道は百合しかない。

そもそも恋愛に疎い私なので、LGBTQなど性のあり方の多様性とか、BLとか百合とかいう高次元なものなんてもっと想像つかない世界だと思っていたんだけど、2人組の仲良し女子が銃をぶっぱなすアニメとか見ていたら、なんか2人の関係にホカホカしたものを感じた。

最初は印象が悪くていらない人だったのに、お互いがお互いに影響し合って無くてはならない存在になっていくってこれただの友情物語なんだけど、なんでかこの2人って百合とかいうジャンルにされちゃってるんだよな。百合って深いな。なんだそれ。

私に必要なのは子孫を残すビジネスパートナーではなくて、そういった保健体育的な難しい事を抜きにした恋心をぶつける対象だ。憧れであり、目標であり、どんなに距離を詰めても私を妊娠させない、手放しに信頼できる対象だ。同性からも異性からもモテそうな早乙女アリスは十分にその役割を果たしてくれると思う。

早乙女アリスがいれば男子はいらない。という結論に達しました。めでたしめでたし。

猫屋敷夢子

んで、なんだっけ?そもそも、なんで私に男子が必要とかいう話になっていたんだっけ・・?

思い出した。

小机いちごはアイドル業ではないので、異性からの恋心は困ります。という主張をするためだった。

モテるアリスがいたんじゃ、余計に異性を引き寄せてしまうじゃん。これは過去に薬袋雫という存在がやらかしてしまった失敗なんだわ。彼女はそこにいるだけで異性を惹き寄せてしまう磁力を発していたから、小机いちごも色々と活動しにくくなったという問題が発生していたのを思い出した。

私に必要なのはカレシじゃなくて異性を弾き飛ばしてしまう鬼瓦のようなものなんだよ。

10年来、男を惹き寄せなかった鬼瓦?
いるじゃん!鬼瓦!

黙っていれば私より可愛く見えるのに私より全然モテない鬼瓦が!

猫屋敷夢子再採用決定。

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