JKいちご

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黒歴史 小麦色いちご からの続き

小机いちご

思い出してみると長いもんだ。この2、3年ほど悩んでいた衣装問題は、結局、学生服になることで収まった。Yシャツの第一ボタンを留めるか外すか。ネクタイかリボンか。ブレザーかセーラーか。カーディガンかスクールセーターかで性格が変わってくる。

3人の主張と性格に合わせて、3種類の制服を考えてみたよ。

小机いちご

小机いちご

小机音心と書いてこづくえいちごと読みます。

小机いちごのトレードマークはヘルメットのようなオカッパ頭。そして服装はチェックのスカートにゴテゴテした固いブーツ、一言で言えばゴシックパンクと言われるファッションスタイルだったはず。でも、ある時期からなんとなく違和感を感じ始めて、そのゴスパンを避けるようになっちゃった。

多分、キッカケになったのはアメリカのハイスクールドラマとかで、よくアジア系のブスな女の子がいたりするんだけど、そういう子が決まってゴスパンみたいな服を愛用してるんだよね。

んで、チアリーダーグループとかのスクールカーストの上のほうのフェミニンな服着た白人の女の子にバカにされたりするのが定番みたいな感じの。それを見た時に、あれ?ゴスパンってもしかして陰キャイメージ?とか思ってしまった時からかなあ。

そういうのが気になり始めてから、私はベレー帽をかぶって、ブラウスの第一ボタンまで留めてるスタイルになってんだけど、それはそれで悪友から「なんか最近ダサくなったね」とか言われたから余計に混乱して、そのあたりから小机いちごとその仲間達の服装が停滞した。

結局、何故だか学生服が基本になった理由は、そういう事とかも影響していたりするんだけど、今度は学生服なら学生服で、新たな問題にぶちあたる。

オカッパ頭に似合う学生服はなんだ?というアンケートをとったら圧倒的多数でセーラー服だと思う。

でもオカッパ頭がセーラー服を着ちゃったら、すごく幼く見えると思う。いつもうつむいていて、聞こえづらい声でボソボソ喋ってると、ますますそれっぽくなると思う。

でも小机いちごはこう見えてナビゲーターのグループリーダーなんだ。司会であり、その都度その話題の議題となる一石を投じるアナーキーな役割を果たさないといけないから、根暗ガールというわけにはいかないのだよ。

だから、セーラー服だけは避けたい。セーラー服だけは避けたい。オカッパ頭に似合う学生服はセーラー服とかいう固定概念をぶっ壊すために、私はスクールカーディガンを貫く事にしたんだよ。手にはロリポップ。

猫屋敷夢子

猫屋敷夢子

猫屋敷夢子と書いてねこやしきゆめこと読みます。

夢子という名前の子は初期から小机いちごの悪友であるという設定があった。いちごと夢子はセットなんだよ。そして、小机のコンテンツ進行の主役としての役割を引き立てる重要なのが夢子という悪友ポジションなんだ。

最初は小机いちごは「ダサい子」というイメージだった。それが逆説的に可愛いというところを狙ったもので、浮世離れしてる汚れを知らない子とかいうあざとさでもあった。それを引き立てる夢子は、ちょっと悪い子な感じで意地悪な態度をとるから、小机の逆説的な可愛さを引き立ててた。「アタイが悪役を引き受けるからアンタ頑張んな」という役割だったんだ。

でも新しい小机は、意地でもセーラー服を着てくれないし、学校指定でもないスクールカーディガンを来てロリポップ持ち歩いて不良ぶってる。そんな小机をひと目見ただけで威圧できる存在感というものが新しい夢子に求められた。

小机が反逆的なファッションで来るなら、夢子は徹底的に保守的な学生服スタイルで行く。目の形も、眉毛の形も、小机を全否定するような存在感を放たなければならなかったのだ。

というわけで、夢子さんは純情可憐で、成績優秀な、学級委員長みたいな見た目の、腹黒になった。

ただ、あの時の夢子さんが消滅するわけにはいかないから、別の人という事になった。苗字は「筑紫」ではなく「猫屋敷さん」となった。もう全然違う人だからね。

七海アリス

七海アリス

七海有栖と書いてななみありすと読みます。
ありすはカタカナでアリスと書く事が多いです。

2023年度、小麦肌美少女コンテスト(応募3人)で優勝を勝ち取り、めでたく褐色女子としてデビューした。

小机と夢子の会話がどん詰まった時のために、全く視点の違う見解をぶち込んでくる3人目が欲しかった。前方の2人と全く違うタイプの活発そうな感じが良い。

かつて存在した薬袋雫と似ているけど、全く別の人だよ。

小机いちごとその仲間達の会話の中で、なんとなく褒め言葉として使っていたものにエモいというやつがある。語源となったと思われるEmotionalは、感情的なとかそういう意味があって、まあ感動するとか、細くて、気だるくて、傷付きやすいみたいな。

エモーショナル・ハードコアとかいうジャンルの音楽のメロディアスな部分とか、パンクファッションなものを「エモいべ」やら、「カッコいいべ」とか言っているうちに定着したもんだと思う。

でも、小机には何か足りないんだよね。なんつーか、人間のニオイとか、色気?それが致命的に足りないんだわ。

記号的なキャラクターデザインとか、猫ちゃんとか動物モフモフ的な可愛さと違って、人間には、動物や可愛い形の物体とか違う、表情というのがあって、それは漠然な言い方だと「色気」なんだけど、もうちょっと具体的に言えば、「この人優しそう」だとか、「この人は感受性が強そう」とか、指で突っつけばどんな表情が返ってくるか想像できる顔付きとかポーズみたいなもの。

眉毛が強気なのに、目が涙目とか、眉間に皺寄せて真剣に考えてる顔とか。そういうのがさ。

演説する人がいて、それを聞いている人がいる。というのではなくて、顔と顔を近づけて、睨み合ったり、笑いあったり、片方の人が目を背けたり、気まずくなって会話拒否して目をつぶっちゃったり、そういう対話を作るためには、感傷的になる必要がある。

ひとりぼっちで過去の傷痕をなめるような感傷的なそれは沢山考えてきたけど、そういう後ろ向きなものではなくて、前向きなエモさを出していく、つまり、そこには人間と人間の愛が必要なのだよ。

そういった小机達に欠けている部分を、体を使って補ってくれるのが七海アリスという存在だ。

小机や夢子が絶対に友達として選ばないようなタイプでありながら、ちゃんと小机にも夢子にも積極的に友達として接してくれる。そんな優しさと吸引力みたいなものを持っている。