黒歴史 『怪奇おかっぱ写真』 の続き
血まみれナース
2014年のこの頃、渋谷のハロウィンが流行り始めていた。そしてあの時、私達は血まみれのナースだった。あの頃の渋谷ハロウィンが一番面白くて、そして、その瞬間が、私の頂点でもあったんだと思う。
小机いちごのアイデアの中で、この血まみれナースが最も世間に認知されて、最も人気があった企画だったと思う。
不本意にも、トラウマいちごとか小机いちごよりも、血まみれナースという呼び名の認知度のほうが高かったかしらね。
丁度、この時、LINEがクリエイターズスタンプなるサービスを始めていて、サービス開始前の事前登録したんだけど、申請までかなり時間がかかっていたみたいだよ。
LINEも新しいサービスだから著作権や表現について相当神経質になっていたんだと思う。そこのところを通過する程度には、ホラー表現としては相当ゆるく調節したよ。
最も世間に認知されたLINEスタンプはここから買える
人気が出たのはうれしい事だけど、それまで感じた事がないような悩みにとり憑かれてしまうことになったよ。
多くの人に認知されると、感想が両極端に引っ張られる。「怖いからやめてくれ」という人、「こんなんじゃ怖くない」という人。
作り手としての本音は、「こんなんじゃ怖くない」のほうで、もっともっと画力をあげたいし、もっと物理的にグロテスクに、そしてリアルに、精神的にもグサッと突き刺す深みのある表現を煮詰めていきたい気持ちがあった。
でも、世間一般的な感受性が訴えてくる「怖い怖い」というほうの消極的な意見を無視してはならない気がして、血まみれナースのほうの怪奇路線を、そこで一時中断する事にした。
この時は中断するつもりだったけど、後で思い出してみたら、血まみれナースはここで終わっちゃったんだなと思ったな。こういうホラー路線のコンテンツは、ひかやし程度の反対意見に耳を傾けちゃいけなかった。自分を貫いていかないと続けられない。でも、向かい風に立ち向かうほどホラーへの執着心はなかったから、もう1つのほうの道を選ぶ事にしてみたよ。
「怖い」というなら、何を求めているのかを、あらゆる方向から飛んでくるフィードバックを注意深く吸収しながら探った。
わかった事は、地下アイドルみたいなものを求めている時代だったんだなと感じた。会いにいけるアイドルAKB48。クラスで2番目くらいに可愛いくらいの、俺でも手が届きそうで、俺の言う事を聞いてくれそうな、チョロそうな女の子。重要なのは本当にチョロいのではなくて運用手腕でチョロそうに見せている女の子。
無理だなあ、それ。小机いちご、そういうのじゃないからさ。
小机いちごってのは、人気商売するタイプのキャラじゃないんだからさ。そういう土台の元に生まれたもんじゃないからさあ。
多分、本当のところの半分?ほんの一握りもわかってないかもだけど。芸能活動している人が苦しむところって、こういうところなんじゃないか?と思った。
自分らしくなくなっていく事を求められて、ここから売れてもツラい。落ちていくのを感じるから、売れなくてもツラい。どっちにしてもツラい。行きつく先に失望しか見えない。
あの時の私は、「何これ何これ?わたし案外イケるんじゃね?」とかちっとも思っていなくて、あまりにも騒音が酷くて、ちょっと騒がせちゃった世間からどう手を引くか?を考えていた。
それか、別の人に投げてしまえたらいいなあ、とか。
悩んだところでしょうがないから、思いつく事は全部やっちゃえって事にした。
思いつく事を全部やったら、気が付いたらまわりに誰も残っていないかもしれない。でも、本当の自分だけがポツンと残っていて、まわりには自分が遊んだ玩具が沢山散らばってるんだと思う。
その時こそ、どれを選びたいかを、素直な気持ちで、自分自身の意思で、選択すればいい。
小机いちごのアイデアの中で、この血まみれナースが最も世間に認知されて、最も人気があった企画だったと思う。
不本意にも、トラウマいちごとか小机いちごよりも、血まみれナースという呼び名の認知度のほうが高かったかしらね。
丁度、この時、LINEがクリエイターズスタンプなるサービスを始めていて、サービス開始前の事前登録したんだけど、申請までかなり時間がかかっていたみたいだよ。
LINEも新しいサービスだから著作権や表現について相当神経質になっていたんだと思う。そこのところを通過する程度には、ホラー表現としては相当ゆるく調節したよ。
最も世間に認知されたLINEスタンプはここから買える
人気が出たのはうれしい事だけど、それまで感じた事がないような悩みにとり憑かれてしまうことになったよ。
多くの人に認知されると、感想が両極端に引っ張られる。「怖いからやめてくれ」という人、「こんなんじゃ怖くない」という人。
作り手としての本音は、「こんなんじゃ怖くない」のほうで、もっともっと画力をあげたいし、もっと物理的にグロテスクに、そしてリアルに、精神的にもグサッと突き刺す深みのある表現を煮詰めていきたい気持ちがあった。
でも、世間一般的な感受性が訴えてくる「怖い怖い」というほうの消極的な意見を無視してはならない気がして、血まみれナースのほうの怪奇路線を、そこで一時中断する事にした。
この時は中断するつもりだったけど、後で思い出してみたら、血まみれナースはここで終わっちゃったんだなと思ったな。こういうホラー路線のコンテンツは、ひかやし程度の反対意見に耳を傾けちゃいけなかった。自分を貫いていかないと続けられない。でも、向かい風に立ち向かうほどホラーへの執着心はなかったから、もう1つのほうの道を選ぶ事にしてみたよ。
「怖い」というなら、何を求めているのかを、あらゆる方向から飛んでくるフィードバックを注意深く吸収しながら探った。
わかった事は、地下アイドルみたいなものを求めている時代だったんだなと感じた。会いにいけるアイドルAKB48。クラスで2番目くらいに可愛いくらいの、俺でも手が届きそうで、俺の言う事を聞いてくれそうな、チョロそうな女の子。重要なのは本当にチョロいのではなくて運用手腕でチョロそうに見せている女の子。
無理だなあ、それ。小机いちご、そういうのじゃないからさ。
小机いちごってのは、人気商売するタイプのキャラじゃないんだからさ。そういう土台の元に生まれたもんじゃないからさあ。
多分、本当のところの半分?ほんの一握りもわかってないかもだけど。芸能活動している人が苦しむところって、こういうところなんじゃないか?と思った。
自分らしくなくなっていく事を求められて、ここから売れてもツラい。落ちていくのを感じるから、売れなくてもツラい。どっちにしてもツラい。行きつく先に失望しか見えない。
あの時の私は、「何これ何これ?わたし案外イケるんじゃね?」とかちっとも思っていなくて、あまりにも騒音が酷くて、ちょっと騒がせちゃった世間からどう手を引くか?を考えていた。
それか、別の人に投げてしまえたらいいなあ、とか。
悩んだところでしょうがないから、思いつく事は全部やっちゃえって事にした。
思いつく事を全部やったら、気が付いたらまわりに誰も残っていないかもしれない。でも、本当の自分だけがポツンと残っていて、まわりには自分が遊んだ玩具が沢山散らばってるんだと思う。
その時こそ、どれを選びたいかを、素直な気持ちで、自分自身の意思で、選択すればいい。
次の黒歴史は 『アニメーション』 へ続く